そう、「濡れ手で粟」でおなじみのアワ。
まだ緑色が鮮やかで、収穫はもう少しあとになります。
この写真を撮った20日の朝、北海道幌加内町の最低気温は、2.1℃でした。
東京なら1月の最低気温。
気温からすれば、北海道の秋はすっかり深まっているようです。
今回の産地訪問の目的は、収穫前の作物の状態を見ること。
レンタカーを借りた千歳空港がスタート地点で、旭川市を北上して幌加内町と和寒町、帯広市周辺の十勝平野を中心に巡りました。
アワ・ヒエ・キビ・ソバ・黒米・赤米・大豆・小豆など、北海道の広い大地で豊かに実った作物を目にしました。
先ほどのアワは、1~2週間すれば黄金色になり、収穫の時期を迎えます。
右の写真は、手のひらに乗せたアワの穂で、エノコログサ(猫じゃらし)そっくり。
それもそのはず、アワの原種はエノコログサといわれており、いうなれば親戚です。
その一粒はとても小さく、お米の数分の一、ゴマの半分くらいの大きさ。
昔、この地域では寒さのため、うまく育ちませんでしたが、近年は温暖化で生育がよくなり、今年も豊作です。
蕎麦(ソバ)といえば信州(長野県)が有名ですが、ソバの作付面積においては、北海道は長野県の5倍以上あり、北海道は全国一のソバ産地です。
広い畑に、真っ白なソバの花が咲く光景は圧巻。(写真左)
収穫期になると、ソバの実は褐色になり、茎には赤みが差します。(写真右)
それを大型のコンバインで収穫していくのですが、地域の自主規制で、収穫作業は午後4時までと決められています。
収穫の繁忙期、まだ明るいのに作業を止めてしまうことの理由を尋ねました。
昼間のソバは乾燥していますが、夕方からは夜露が出はじめ、ソバの水分量が上昇してしまいます。
作業時間に制約をもうけることが、収穫後にカビが生えるのを防ぎ、高品質を保つ、産地のブランディングの一環になっていました。
ソバにまつわる昔のエピソードも聞きました。ソバは、種まきから90日と短期間で収穫ができ、寒冷な気候にも痩せた土地にも強いため、かつては冷夏でイネの生育が悪いと分かった時点でソバの種をまき、人々は食糧不足をまぬがれたとのことです。
夕暮れ前には、ちょっと大豆畑へ。
収穫にはまだ早く、まだ枝豆の面影を残す状態ですが、豆はしっかり入っています。
この大豆畑も見渡す限り広がっており、大型化された北海道農業の効率の良さに、今後の日本農業のあり方を見た気がします。
今回の産地訪問は、お気に入りの赤いゴム長靴のおかげで、ぬかるんだ圃場にも何度となく出入りでき、農業経営者と語り合うことができました。
途中、マネージメント・ゲームの先輩の会社 アイマトンさん に立ち寄り畜産の話を聞いたり、国内産小麦でパンを焼くベーカリーに、原材料としてライスアイランドの製品をお勧めしたり、充実の三日間となりました。
北海道の皆さま、ありがとうございました。
この秋、収穫される穀物は、来年1月から順に製品化する予定です。
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