ケイトウ(鶏頭)に似た、この植物は、アマランサスです。
ライスアイランドの工場敷地内で自生し、見ごろを迎えています。
誰が種をまいたのでもなく、入荷時にトラックの荷台から、こぼれ落ちたアマランサスが育ったのでしょう。
雑穀は、野生種に近いものが多く、その生命力の強さには定評があります。
アマランサスは、小さな粒に栄養価がたっぷりで、鉄分・カルシウム・亜鉛などを豊富に含みます。スープに入れたり、茹でてサラダにしたり、ごはんに炊き込んだりして、いただきます。
日本では、流通するようになって日の浅いアマランサスですが、原産地の南米では、古くから栽培されていました。
紀元前5~3千年には、アンデス南部の山岳地帯で、アステカ族が栽培。以来、13世紀に興ったインカ帝国に至るまで、トウモロコシ、インゲン豆と並んで、重要な作物でした。
しかし、16世紀に侵略をすすめたスペイン人は、アマランサスが、神への供物として宗教行事に用いられていることを嫌い、栽培を禁止しました。
それ以後、アマランサスの栽培は、急速に減少していきました。
19世紀に入り、残っていたアマランサスがアジアに伝わり、日本では、江戸時代から観賞用として、また、東北地方で小規模ながら、食用として栽培されてきました。
日本名は、ヒモゲイトウ(紐鶏頭)、アカアワ(赤粟)と、呼ばれています。
アマランサスは、実だけでなく、葉もたべられます。
先日、フランス料理店で、アマランサスの葉が、甘鯛のポワレに、付け合わせとして供されていました。
もう少し大きくなった葉は、天ぷらにすると美味です。
自生したアマランサスの実は、どんな味なのか、試食してみたいと思います。
コメント