岐阜県郡上市白鳥町にある生ヶ洞(しょうがほら)棚田に行ってきました。
この棚田は、1999年に農水省が認定した「日本の棚田百選」に選ばれています。
郡上市白鳥町は、古くから白山信仰で栄えた歴史街道沿いの町です。
717年、泰澄大師によって開山された白山への登山道「美濃禅定道」は多くの修験者が行き交い、1187~88年には、源義経が奥州への逃避行の道として選んだそうです。 〈郡上市役所パンフレットより〉
また、江戸時代の代表的な百姓一揆として有名な「郡上藩宝暦騒動」は、重税に苦しんだこの地域の農民によるものです。
郡上藩宝暦騒動は、身を捨て何人もの犠牲を払いながら農民が勝利を得た一揆で、神山征二郎監督の映画 『郡上一揆』(主演:緒方直人)に、その様子は描かれています。
生ヶ洞棚田を耕した農民にも、一揆の一員がいたことでしょう。
話を戻せば、棚田は米の生産現場であるだけでなく、保水機能・洪水調整・土壌浸食防止などで役立っています。そして、棚田の景観は美しく、文化的価値も大きいです。
棚田は日本のみにとどまらず、稲作をするアジアの国々、中国・韓国・ベトナム・フィリピン・インドネシアにも点在します。しかし今や、どの国の棚田も同じく減少傾向にあります。
フィリピン・コルディリェーラの棚田(rice terrace)は、世界遺産に登録され保護政策がとられています。
日本には NPO法人棚田ネットワーク があり、棚田を守る活動をしています。棚田をきっかけに、日本の農業に目を向けてもらえれば嬉しいです。
【写真上:生ヶ洞棚田 写真下:インドネシア バリ島の棚田】
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