秋に種をまいた麦が芽ばえ、10センチ弱になりました。
麦踏みは、霜柱で浮き上がった土を押さえ、麦を鍛え丈夫にするため、寒いこの時期にします。
昔の麦踏みは、農家の家族全員が畑に出て、麦を足でていねいに踏んでいきました。
その様子を、俳人 高浜年尾(高浜虚子の長男)は、次のように詠んでいます。
「麦踏の 一つの姿 手を腰に」
なるほど。
光景が目に浮かびます。
今の麦踏みは、トラクターにローラーを付け、それを引いて麦を押さえていきます。
例えるなら、道路工事で、ロードローラーが、新しくできた道路を押さえていくイメージ。
ローラーで、踏まれたあとの麦畑が、上の写真です。
麦の身を思えば、せっかく伸びた芽を踏みつけられるのは、気の毒というもの。
しかし、麦踏みをしないと、ひょろひょろと高さばかりが伸び、根の張りの弱い麦に育ってしまうのだそうです。
ひところ、ひょろひょろと伸びた体力のない子どもを、もやしっ子と呼んだことを連想しました。
踏まれても踏まれても、すくすく強く育つ麦。
生きる力の強い子を育てるには、適度なストレスが必要!ということでしょうか。
半年後、すくすく育った麦は、麦秋を迎えます。(写真:右)
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